コイガシタイ


恋がしたい
恋がしたいそう思っていたけど
あなたに甘えたいだけだって
気づいてしまったの






ふとした人との触れ合いで、人恋しくなって恋がしたくなる。

一人の夜がさみしくて、恋がしたくなる。

そんな気持ちになるなんて、もうあなたのこと平気になったんだって思ってたの。



だからあなたとちがうおとこのひとと、一緒にでかけてみたりもしたのよ。

それなりに楽しくって、それなりにドキドキもして、いい感じになったりもした。



でもね。

そのおとこのひとが、私の手をとって歩き始めたとき、ドキドキしたけど違和感を感じてしまったの。

歩幅とか、手の大きさとか、感触。



あぁ、欲しいものはこれじゃなかったって気づいてしまった。



さみしいから欲しかった。

特別が欲しかった、私だけを特別に触ってくれる腕が。

でも、私が欲しかったのはやっぱりあなたの腕だったのだ。



わたしはあのときから、一歩も前に進めていなかった。




恋がしたい
恋がしたい
そう思ってがんばってみたけれど
欲しかったのは
やっぱりあなただけだった






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2012/08/16



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