トゲトゲ
心のトゲトゲが
自分を
相手を傷つけてしまいそうになる
無意識のうちに
ちょっとしたことが積み重なるとそれは大きなストレスとなって襲いかかってくる。
朝ちょっと起きるのが遅くて電車に乗り遅れた。
仕事中ちょっとしたミスをした。
帰り道買おうと思っていたお菓子が売り切れていた。
そんな些細なことで、イライラがつのる。
それが一日一日積み重なり、いつしか笑顔を作ることがめんどくさくなってしまう自分がいる。
相手が何の気なしに言った一言に過剰に反応し、攻撃的になってしまう自分がいる。
そんな毎日の中で、貴方に会う時間がある。
時間より少し遅れた私が待ち合わせの場所に着くと、いつもの場所で貴方私を待っていた。
いつも私の方が先に貴方を見つける。
今日も貴方は私が来たことに気づいていなかった。
貴方の背後にそーっと回りこみ貴方を驚かせようと近づく。
「わっ!!」
「おわっ!!」
思わず驚き声をあげる貴方。
「あははっ。びっくりした?」
「おーまぁな。」
「いや!結構驚いてやん。あれは。」
「いやいや。」
「とりあえず、遅れてごめんなぁ。」
「おーそれはいいけどな。」
私の手を取り歩き出す貴方。
重ねる手から伝わるぬくもりに思わす頬が緩む。
「今日はどこいくん?」
私が聞くと、
「んーどこいこっか?」
なんて答える貴方。
「えーどこ行くか考えとくゆうたやん。」
「いや。考えたんやで。でも考えすぎてどこいっていいかわからんくなった。」
「なんじゃそりゃ。・・・んじゃ映画!」
「了解。チケット買いにいかなな。なんの映画みるん?」
貴方が聞くから
「まえ言ったやつ。」
なんて答えてみた。ほんとはそんな話してないのに。
「えっと・・・まえ・・・あの動物のは終わったやろ??」
必死に考える貴方。
私が約束忘れると機嫌悪くなることを知ってるから、その顔は真剣そのもの。
「洋画??うーん、あれも終わってたような・・ってか今なにやってんねん。」
困り果てたように少し上の空間を見つめ考える貴方。
なんだかその様子が可愛くて、思わす私はふきだしてしまった。
「あははっ。」
貴方が驚いたような目で見つめた。
「なんだよ。」
「いや。約束なんかしてないよ。ごめん、冗談やん。」
「まじか?・・・考えてそんしたわ。」
ほっとしたような、ちょっと怒ったような声で答える貴方。
「ごめんて、しかたない!今日は観たい映画決めていい権利をさしあげましょ。」
「おーありがとう。・・・ってなんじゃそれ。」
「いや、いっつも私が決めてばっかやし。たまには選びーや。」
「いや、いっつもみたい映画かぶってるだけやん。」
二人で譲り合い。
こんなやりとりもなんだかほっとするひと時。
「んじゃ、お茶でもしながら相談しよっか。」
という貴方。
「おー了解。んな、目的地変更!目的地おしゃれなカフェ!」
「おーこじゃれたカフェ!」
そして手を繋ぎ歩き出す。
そのとき気づくの自然と笑顔がこぼれていることに。
笑顔は作るのではなくて
自然とこぼれるもの
そのことを日々を重ねるたびに忘れてしまうの
だからトゲトゲが出てくる前に
また貴方に会いたい
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2006/02/09