Cookie



恋ってお菓子作りににている

混ぜすぎると固くなって

混ぜないとぼろぼろと崩れる

そう私が作るクッキーみたいに





不器用な私でも、貴方のためにクッキーを作ったことがある。
でも、私の作るクッキーは時には煎餅みたいに硬く、時には砂の城のように脆い。
丁度いい具合に生地を捏ね上げることが出来ないからだ。


丁度よく、貴方に求めることが出来ない。
いつも少し欲張りだから。


たとえば、そう。
たった一言なのにそれがなかったがゆえに、心が固くなって耳をふさいでしまう。
そのとき私が欲しかった言葉は

「ごめん。」

じゃなくて

「ありがとう。」

だったのに。


丁度よく、貴方を愛すこと出来ない。
いつも少し貴方のこと求めすぎるから。


たとえば、そう。
たった一つのことが足りなかったがゆえに、心がぼろぼろと崩れ手のひらから零れ落ちてゆく。
そのとき私が欲しかったものは

あなたの優しさ

じゃなくて

あなたのぬくもり

だったのに。


いつもいつも少しだけ足りなかったり、多すぎたり。
愛情の量を間違えると恋は瞬く間に姿を変える。
甘くておいしいクッキーが焼きあがるはずが、出来てみれば硬く、脆いものになる。


でも、それをおいしいといって食べてくれる貴方がいる。





貴方のことを思って作ったお菓子は

どんなにカタチは悪くても

きっととっても甘いのよ

愛情という甘いトッピングがしてあるんだから




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2006/01/09



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